シロのひみつ

12.6.2014 | 17:35

私は幼稚園の年長だった頃から、大学1年まで、白い日本犬の雑種を飼っていました。非常に気のやさしい犬で、人間にも他の犬にも怒ったことはほとんどありませんでした。
その犬を飼うまで私は、犬が少し怖くて、でも怖いけれど可愛いとも思っていたので、親に言って飼うことにしてもらったのですが、うちの犬があまりにも従順なので、何か裏があるのではないかと私は思い始めました。
小学校低学年の頃です。「犬が本気を出したら、私のほうがまだ弱いのに、私を攻撃したことがない。もしかして、こいつは宇宙人で、私たち地球人を観察に来てるんじゃないだろうか?」犬と私だけで散歩に出かけた時、思い切って犬に聞いてみることにしました。田んぼの横の草むらに並んで座り、夕日に照らされた自分たちの影を見ながら、私は思い切って聞いてみました。「ねえ、シロ、ほんとは宇宙人なんじゃないの?Aちゃん(私)の考えてること、ほんとはわかってるんじゃないの?誰にも言わないから、Aちゃんにだけ教えて。もし、シロが宇宙人だったらねえ、うん、ってうなずいて」
シロはうなずいてはくれませんでした。それどころか、「はぁ?Aちゃん何を言ってるの?」という表情で、私の顔をじっと見ていました。
そんな大事な秘密を簡単に子どもの私に打ち明けてくれるわけないよな、と、その時の私は思いました。
その後、私はシロに同じ質問をすることはありませんでしたが、シロと相談したり(私が学校から帰ってきたとき母が留守で、「ママがいないけど、このまま家で待つ?それとも探しに行く?)とか)、時には口論したり(シロは自分が受け取るのを失敗して落としたお菓子を私に拾って来いって言ったのです!)、人間どうしのような友情をはぐくみました。
シロは私が大学1年生の終わりの春休みに、虹の橋を渡りました。自分は宇宙人だよとは最後まで打ち明けてくれなかったので、やっぱり、ただの犬だったのかなあ…。

シロと階段

12.6.2014 | 17:09

私は子どもの頃、シロという雑種犬を飼っていました。あるとき、「犬は階段をのぼれるけれど下りることができない」と誰かに聞いて、シロで試してみようと思い立ちました。普段は外で飼っていたので、母に「シロが階段下りれるかどうか、階段にお菓子置いて、試してみてもいい?」と聞いたら、母も面白がって、一緒に見ることになりました。階段の下から10段目ぐらいのところにお菓子を置いて、シロを階段の下に連れてきて、「シロ、あそこにお菓子があるから取ってきなよ」と言ったら、シロは喜んで、階段をのぼり始めました。当時の我が家の階段は、最初の3段ぐらいが斜めになっていて幅が広いタイプで、シロも、3段目までは張り切って駆け上がって行ったのですが、幅が狭くなった4段目で、立ち往生。シロは頭はいいけれど、不器用な犬だったので、「僕は脚が4本あるから…」とかなんとか考えてしまったのでしょうか、1段に脚を4本全部乗せてしまったのです。進行方向に向いていると、狭い面積に脚が全部乗っている形になるので、バランスが悪く、身動きが取れなくなりました。そこでシロは苦肉の策で、なんとか体を横に向けました。階段の1段に横を向いて乗っている形です。そのままそこにいるなら、安定しているのですが、今度は別の段に移るのが難しくなってしまいました。シロの様子を見ていた母と私は、ガマンできなくなって、おなかが痛くなるほど笑いました。シロは笑われたのが嫌だったようで、お菓子をあきらめて、その体勢からかなり苦労して、下の幅の広い段まで下りてきました。そしてそこで座って丸くなって、私をにらみつけてきました。私がわざとシロには届かないところにお菓子を置いたと勘違いしたのか、単に笑われたことに怒っていたのかはわかりませんが、とにかくむくれていました。私が階段のお菓子を取ってきて、「じゃあ、ここで食べなよ」と渡した時も、「くれるっていうならもらうけどね」という態度で食べて、お菓子に対しては全く喜ばず、本当にすねている様子でした。食べ終わった後もしばらく機嫌が直らず、私が通ると上目づかいににらんできて、それがまた、とてもおかしくて可愛かったです。シロは、しばらくそこで丸くなっていじけていましたが、何分かしたら、ようやく気がおさまったようで、階段を下りて、玄関から庭に出て行き、ようやく機嫌を直したようでした。
シロが脚を全部段に乗せてしまって、その後横を向いて動けなくなっていた様子を思い出すと、今でも笑えて来ます。階段を上れない犬もいるのだなということがわかった瞬間でした。シロは不器用なところも含めて、とても可愛い犬でした。体育が苦手だった私は、自分とシロは似ていると思いました。